目に見えるものだけを見ない
過去の数値から仕事をする税理士
数値を活かして過去と未来をつなげる
岐阜市の未来会計士 藤垣寿通です。
おはようございます!
今月のセミナーへの申し込みが続き、
嬉しい悲鳴を上げています!
新規様ばかりで理想の人数となっており、
気合いが入りますね。
セミナーの詳細は一番下に掲載いたします。
経営者向けのセミナーに参加いただくということは、
それぞれに解消したい課題をもっているわけですね。
そんな問題解決の考え方のヒントをご紹介します。
『学習する組織』ピーター・センゲ著によると、
システム思考という考え方が語られています。
その中の氷山モデルが使いやすいツールなのです。
システム思考の考え方は、
現代のような複雑に絡み合った問題解決に役に立つのです。
ロジカルシンキングという論理的思考法が問題解決に使われることが多いのですが、
このロジカルという論理だけでは対応できない問題があるのです。
例えば、
AだからBという問題が起きる。
だったらAをやめればいい。
単純なケースですが、
Aをやめたからといって、
問題がなくなるかといえば、
そうとは限りません。
ルービックキューブを思い出してください。
一つの面を揃えようとすると、
既にそろっていた面が崩れてしまう経験をしたことはないでしょうか?
ルービックキューブが得意な人には理解できないかもしれません(笑
複雑な問題を解決するためのシステム思考とは、
一つの現象を点や線で捉えるのではなく、
システム全体における構成要素として考えます。
だから、全体として問題を捉えるのですね。
でも、どうやって考えたらいい?
その答えの一つが氷山モデルなのです。
まずはこの図を見てください。
私たちの目の前に起こる出来事は、
まさに氷山の一角でその大部分は見えない部分なのです。
会社では問題が起きると、
まずはそれに対処しないといけないため、
その目に見えている部分に対応します。
だけど、また同じような問題は起きるのです。
根本的に解決できていないからですね。
この氷山モデルでは、
物事の捉え方を学ぶことができます。
書籍からアメリカでの火事対策の話をご紹介します。
1、できごとレベル
このレベルでは、火事に対して消火活動を行います。
迅速に消化を行い延焼がないようにします。
無事に消化が行われても、
次の火災が無くなるかといえば、
そうではありませんね。
2、時系列パターンレベル
このレベルだと、
火事がどの時期に起こりやすいか、
どの時間帯か、どこの地域か、
などのデータを取ることで、
消防署の人員配置やシフトの配置などに役立てます。
これにより更に迅速な消火活動が可能となりました。
しかし、どれだけ計画しても不確実性はあり、
発生を予防する効果は少ないですね。
3、構造レベル
ここでは出火の傾向だけではなく、
その原因を考慮すると台所が多いことが判明し、
台所の壁紙の材質、スプリンクラーの設置が
火事を未然に防ぐことが分かりました。
壁紙の材質やスプリンクラーの義務化など、
住宅の構造を義務化することで、
火事そのものが予防できるのです。
しかし、ここにも問題があります。
やはり火事は起きるのです。
よくよく調べると、
義務化してるのに守られていないのです。
低所得者層の多い地域の賃貸アパートでは、
オーナーが家賃を上げにくく対応できていない様でした。
4.メンタルモデルレベル
居住者たちは火事の対応はオーナーの役割だと考えています。
しかし、オーナーたちは違いました。
「規制は不利益を強要することだから、
行政側が何とかするべきだ!」
こんな考えだったのです。
オーナーたちはコストが増えて負担が増えるのだと思っています。
しかし、今日の耐火材はコストも安く実際には負担増にはならないようでした。
行政では、火事がどのように広がって被害がでるか、
残された被害者はどうなるのか、
いかに火事をなくすことが大事なのか、
これらを市民に気づいてもらう活動をしたそうです。
そんな話し合いの場を何度も設けたことで、
「火事のない街づくり」というビジョンが生まれ、
自分たちで何とかしようとする行動が広まってきました。
元は行政やオーナーの責任だとしていた市民は他責のメンタルモデルだったのですが、
共同責任分担のメンタルモデルに変わったのですね。
氷山モデルのどこのレベルにあるかで、
対応の質は大きく異なります。
問題が起きた時に、どの部分を意識できるか。
この問題はどのレベルにアクセスすればよいか。
そんな意識をもって考えることができれば、
時間はかかりますが確実に問題が解決されていくでしょう。
何か問題が起きたら解決のチャンスです。
氷山を思い浮かべてもらえたら嬉しいです(^^♪
ちなみに、私がチームビルディングコンサルを行うときは、
この構造の部分を着眼点として取り組みます。
ここを変えることで組織が大きく変容するのですよ。