みなさん、こんにちは!

税理士の藤垣です。

 

今日は前回の続きで、「名義預金」についてお話しします。

ちなみに、銀行預金の種類、例えば普通預金とか定期預金ってありますよね。

名義預金という種類の銀行預金ではありません。

名義預金とは、その名の通り、誰かの名義を借りた預金のことです。

 

土地や建物については、不動産情報が法務局で登録されています。

誰が所有する土地なのか、その所有者が登録されています。

登録の事を登記と言います。

登記するときには、法務局の窓口へ詳細な資料を提出しなければなりません。

なぜ厳しいのかと言えば、詐欺などで大切な財産が誰かほかの人に取られることがないよう、

書類の提出が義務付けられているのです。

ですから、土地や建物のような不動産については、名義土地や名義建物などという言葉はありません。

 

しかし、預金口座については、最近でこそ新規の口座開設の時には厳しく本人確認されますが、

昔は誰の名義かは結構適当に作られていたようです。

そのため、おじいちゃんがかわいい孫のために銀行口座を作って、毎月お金を積み立てている。

そのな事が日常的にあるかと思います。

「そのお金は贈与で、1年間に110万円までは申告しなくてもいいはずだし、孫にあげたものだ。」

そんなことを考えている人は、日本中にたくさんいるかと思います。

おじいちゃんが孫のために積み立てること自体は素晴らしいことだし、いいことですよね。

しかし、贈与として、ある人から別の人に財産が渡ったと言えるためには、条件があるんです。

それは、

 ①お互いが贈与の事実を確認していること。

 ②もらった側がその財産を管理できていること

です。

①については、おじいちゃんが孫に内緒で積み立てしていたら、贈与が成立していません。

だから、おじいちゃんが勝手に孫の名義の口座を作ってそこに貯金しているだけと解釈されてしまいます。

また、②については、孫が贈与の事を知っていても、おじいちゃんが通帳と印鑑を管理していたら、

その孫は自由にお金を引き出せませんよね。

自分のものになっているならば、そんな事はないはずです。

 

このようにして、気持ちは贈与していても、形式が成り立っていないものを名義預金といいます。

これがどこで問題になるかというと、相続の申告が終わった後の税務調査で問題になります。

財産の名義が亡くなられた方の名義になっていないことや、そもそも相続人は既にもらったお金だと思っているため、

相続税の申告財産から漏れてしまうケースが多いわけです。

そうなると、申告後に税務署の調査官がきて、

「このお孫さんの預金は、亡くなられたおじいちゃんの財産ですよね」

と指摘を受けることになります。

修正申告をして追加の税金を納めるのですが、加算税や延滞税など、余分なお金がかかります。

 

ですから、生前に贈与するお金は、しっかり相手に伝えて、渡すことが重要になります。

もっと知りたい方は、藤垣会計までご連絡ください。

 

では、良い1日を!

 

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