過去の数値から仕事をする税理士

数値を活かして過去と未来をつなげる

岐阜市の未来会計士の藤垣寿通です。

毎日ブログ1050日目

 

 

おはようございます!

6月も後半に入りますね。

土日は仕事の合間にゴルフの練習に通いました。

大振りをやめるだけで

結構安定するものですね。

ハーフスイングで降っても

フルスイングでも

飛距離がそんなに変わらないのが悲しいけど。

ハーフスイングはミート率が高いんだろうと

勝手に納得させてます(^^;

 

 

さて、

先週末の相続診断士会の例会で

お話しさせていただいたことを

少し紹介したいと思います。

 

 

事業承継税制を使おうとする前に

他に何かできる事がないかを

確認してみましょう!という内容でした。

まず第一にしてほしいことは、

個人の財産のたな卸しです。

全体の把握をしないで

細かい個別論点を検討していても

話しになりません。

身体のことでも同じですよね。

ある特定の一部だけ診てもらっても

身体全体の健康診断をしてみないと

健康かどうかはわかりません。

相続でも同じで、

自社株式だけ見ていても

対策はできません。

相続財産には。

現預金、

有価証券、

土地・建物、

自社株式、

その他とあります。

そして自社株式が全体の資産に占める割合は、

3~5%程度だそうです。

(国税庁の統計資料に記載されています。)

相続税は総遺産額から計算されますから、

全体を把握することが

まずはじめに取り組むことなのですね。

 

財産のたな卸し

 

しかし、

実際には全体の財産の話しが

事前にできる人はあまりいません。

不動産や株式は教えてくれても、

現金預金のことまで

詳細にお伝えくださる相談者は

あまりいません。

それだけ財産を人に伝えるということには

おおきな心理的な障壁があるのでしょうかね。

 

 

 

さて、

全体の財産が分かったら、

個別の資産について

できる事を検討していきます。

その対策の中で

ひとつの考え方をご紹介します。

それは、

「時価よりも評価額の

 低い財産への組み換え」

です。

どういう事かというと、

「現金預金」で「株式」に投資するとしたら、

全体の財産は変わるでしょうか?

あまり変わりませんよね。

現金預金は時価そのままですが、

有価証券も時価に近い動きをします。

つまり、時価に近い「現金預金」を

時価に近い「有価証券」に変わっても

対策にはなりにくいのです。

 

 

オーソドックスな対策には

アパート建設というものがあります。

これは「現金預金」が「土地建物」に変わります。

しかもその土地建物は人に貸すものです。

これは大きく評価が低くなるのですね。

建物は固定資産評価額を基準にしますので、

購入した金額から大きく下がります。

土地も建物も貸していれば、

借地権や借家権の部分が

減額できるのですね。

だから富裕層の相続対策に

アパート建設が勧められるのです。

時価に近い「現金預金」が、

大きく評価を下げた「土地建物」に

組み換えができるということです。

 

 

ただし、

相続税の対策にはなるかもしれませんが、

実際にアパート経営の観点で

検討する必要があります。

私は個人的にはお勧めしていません。

特に岐阜県では田舎で土地があまっているため

アパートを建てられる場所が豊富にあります。

建てるのは簡単ですが、

これを長年にわたって維持することは

とても難しいのです。

5年もすれば古くなって

家賃を下げなければ

入居してくれなくなります。

よほど駅に近いなどの

立地上のメリットがない限り

アパート経営は苦しくなります。

だから基本的にはお勧めしません。

 

 

数年前にタワーマンションを使った

租税回避行為が問題になりました。

当時はマンションの固定資産税評価額は、

低層階でも高層階でも

単価は変わらなかったのです。

都心のタワーマンションの高層階は

プレミアがついていて、

数億円で販売されていますが、

評価は低層階と同じで

時価よりもかなり小さいのですね。

その差を利用して、

相続開始直前に時価で購入して、

相続税の申告を低い評価額で行い、

その後で時価で売却するのです。

これが明らかに租税回避として

訴訟になり、

平成23年の非公開採決では、

・取得日と相続開始日が近い

・相続開始後すぐに譲渡している

・利用する意思がみられない

・明らかに節税目的と推測される

という事実から否認されています。

現在では固定資産税評価額の計算が、

低層階と高層階では差をつけるような

改正がなされました。

 

 

改正によって、

タワーマンション節税は封じられたと

一般的には解釈されているようですが、

実際にはまだまだ時価との差が大きく、

賃貸の目的にしてタワーマンションを購入して、

結果として?節税になっているケースがあるそうですよ。

否認されるリスクはありますから、

税理士としてはお勧めできませんね(^^;

 

 

 

最後のタワーマンションの例は特別ですが、

時価で評価されるものから

評価が低いものに

組み替えるのは、

相続対策の定石です。

できる事があれば

検討してみてください。

 

 

 

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