伝えるのは「聞く姿勢」をつくってから
過去の数値から仕事をする税理士
数値を活かして過去と未来をつなげる
岐阜市の未来会計士 藤垣寿通です。
あなたは人に何かを伝えようとして、
うまく伝わらなかった経験はあるでしょうか?
私たち税理士の仕事は税金の計算をすることが本業ですが、
例えばお客様の会社の利益の額や税金の金額を伝えるとき、
何も考えずに伝えるのと、工夫して伝えるのとでは、
大きく違ってきます。
何が違うかって、その場の雰囲気もそうですが、
その後の関係性も全く違ってきます。
ちょうど今は確定申告の受付期間なので、
お客様に決算書の説明をする場面を想像してみて下さい。
その説明の中で、
「あなたの去年の売上高は○○で、
青色控除後の所得は××でした。
結果、合計所得が○○になりました。
所得控除は去年より減っているので、
結果的に税金は××円になります。
納付書はコチラです。」
なんて言ったら、お客様の頭の中には、
売上と利益と税金の3つの数字くらいしか記憶に残らないでしょう。
しかも専門用語を多発してるので、余計に分かりません。
こんな話を聞いたことがあります。
「税理士に質問すると、
余計に難しい話が返ってくる。
決算書のこの部分が分からないと言ったら、
その何倍もの分厚い難解な資料が届いた。
だからね、もう質問するのをやめたんだ。」
なんだか悲しいですね(^^;)
確かに正しいことを説明しているのですが、
伝わっていないんですよね。
説明する、話す、言う、伝える、
は一人称で自分目線の行動です。
「伝わる」は、相手の立場に立った行動ですね。
この違いを意識しているかどうかで、関係性が違ってきます。
お客様ごとに知りたい項目や興味がある部分が違います。
だから、説明の途中で、
「ここまで大丈夫ですか?」とか、
「ここまでで質問はありますか?」と
小休止を入れてあげるといいんです。
専門用語もできるだけ使わないように話したいものです。
私たち専門家は、「正しくあれ」と無意識に考えてますから、
あやふやな言葉を使いたがらない。
この気持ちも分かりますが、
会話の中でそこまで細かい意識をしなくても、
お客様に概要がお伝えできれば十分な場合がほとんどです。
私は意識して専門用語は減らすようにしています。
また、電話などで重要な話をしようとするときも、
相手に聞く姿勢を取ってもらうと話が早いですね。
電話越しだと、早く要件を済ませたいと思っている場合もあるため、
先に重要な話があることを伝えておかないといけません。
そして、その重要な話が「なぜ重要なのか?」が伝わっていないと
相手も苛立ってきます。
しまいには「いつまで訳の分からないことをダラダラ話してるんだ!」
って思われてしまいます。
そうならないためには、先に伝えるんです。
相手にとって、この話を聞くことがどんなメリットがあるのかを。
誰だって「自分にとって利益があることか、ないことか。」
この判断で動いています。
相手目線に立って、
「あなたのために話しているんですよ」
が伝わっていれば、
話し終わった後も感謝されるでしょうし、
協力的に動いてくれるでしょう。
だから、何かを相手に伝えたいときや、
相手を動かそうとするときは、
「前置きトーク」が重要なんですね。
私のコンサルタントの師匠である和仁達也先生の著書で
詳しく述べられています。
コンサルタント向けのように見えますが、
相手と対話により仕事をする人には必読書ですよ。
読んだことがない人は、ぜひご一読ください!