分割協議前の不動産収入は誰が申告?
こんにちは。
大切なご家族のために、思いやり相続を支援する
岐阜の相続コンサルタント 川島志歩です。
あっという間に明日から3月に突入し、
確定申告も折り返し地点となりました。
相続対策で贈与をされた方で、贈与税がかかる方は
贈与税の申告も所得税と同じ期限ですので、
申告をお忘れなく(^^)
(コロナで3/15→4/15に延長されています)
さて、今回は、
「分割協議前の不動産所得の申告」についてです。
賃貸不動産をお持ちの方が亡くなられた場合
相続開始後4か月以内に準確定申告が必要ですが、
では、亡くなった後、
誰がその賃貸不動産を相続するか、
まだ分割協議が確定していない場合、
誰がその不動産所得を申告するのでしょうか?
もし仮に、協議が確定するまでの間
特定の人がその賃貸収入を管理していたとしても
未分割期間の相続財産は、各相続人の共有状態にあり
その相続財産から生ずる収益は、
各共同相続人にその相続分に応じて
帰属するものとなります。
したがって、特定の人が管理していたとしても
遺産分割協議が確定するまでは、
法定相続分に応じて相続人全員が
確定申告をすることになります。
そして、後に、分割協議が成立した場合
その賃貸不動産を相続した相続人が
協議が確定した以降の収益を、申告をします。
申告の流れはこんな感じでしょうか(^^)
【亡くなった年の1月1日~亡くなった日】
相続開始後4か月以内までに準確定申告
※通常の確定申告3月15日でないことに注意
【亡くなった日の翌日~12月31日】
法定相続分に応じて確定申告期限(翌年3月15日)
までに相続人全員が確定申告
【1月1日~協議確定まで】
法定相続分に応じて確定申告期限(翌年3月15日)
までに相続人全員が確定申告
【協議確定後~12月31日】
賃貸不動産を相続した人が
確定申告期限(翌年3月15日)までに確定申告
では、協議が確定した後
すでに共有財産として申告した賃料の収入は
どうなるのでしょうか?
民法の規定では、遺産分割による効果は、
相続開始時に遡及効力を発生させるため、
賃貸収入も遡及するように思えますが、
不動産所得の帰属については、
最高裁で、賃貸収入は遺産とは別個の財産とされ、
後の遺産分割の影響を受けないとされています。
したがって、分割協議の成立により、
その遺産の相続分に変動があっても
未分割期間中に生じた収益の帰属には
影響を及ぼすものではないので
分割の確定を理由とする修正申告や
更正の請求は出来ません。
分割協議がなかなか決まらない場合は、
相続人全員で確定申告が必要となり、
協議が確定しても賃料には遡及しません。
スムーズに協議が終わるよう
遺言書の作成や事前に家族での話し合い
をしておくことが大切ですね。
ちなみに、亡くなられた方が青色申告で
不動産所得を確定申告されていた場合、
相続人も、青色申告のメリットを受けるには
改めて青色申告の承認申請が必要です。
申請期限を過ぎると青色申告のメリットが
受けられませんので、ご注意を。
詳しくはお気軽にご相談ください(^^)
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