農地の相続
こんにちは。
大切なご家族のために、思いやり相続を支援する
岐阜の相続コンサルタント 川島志歩です。
ようやく梅雨が明けたみたいですね。
一気に暑くなり、
マスクがさらに息苦しくなりそうです。
熱中症にお気を付けください(^^)
さて、今回は、最近、対応案件が多かった
農地についてです。
農業をされていた方が亡くなり、
農地を相続する場合、
相続人が今後も続けて農業を行う場合は、
農地の相続税を猶予する特例があります。
農地は、一般的に面積が広く、
相続税が課税されると、税額が高くなってしまいます。
納税のために農地を売却せざるを得ないという
問題が生じてしまっては、
せっかく農業を続けたくても、続けられません。
そこで、後継者が農業を続ける場合や、
一定の条件のもとで農地を貸し出す場合は、
相続人を税制面から支援するためにも、
農地にかかる相続税を猶予する特例
が設けられています。
納税が猶予される税額は、
農地にかかる相続税の全額が
猶予されるわけではありません。
農業投資価格といって、国税局で
都道府県ごとに定められている価格があり、
通常の宅地評価額より低く設定されています。
その農業投資価格に基づいて計算した相続税と
本来の方法で計算した相続税との差額が
猶予の税額になります。
また、その猶予された相続税は、
その農地の相続人が亡くなったときや、
相続した農業を20年間継続したとき、
相続した農業を後継者に生前一括贈与したときは、
猶予されていた税額が免除され、
相続税を納めなくてもよくなります。
今後も生涯農業を続けていく方は、
この特例を上手に適用すれば、
納税額を大きく減らすことができますので、
ぜひ、検討してみるといいかと思います。
相続税の納税猶予の特例を適用するためには、
相続税を申告するまでに
農業委員会で証明書の発行が必要になり、
現地確認等の手続き期間も必要ですので、
申告期限ぎりぎりにならないよう
前もっての準備が必要です。
また適用後は、3年目ごとに納税猶予の要件を
満たしているという現状を報告する
継続届出書の提出が必要です。
せっかく農業を続けるのに、手続きが遅れてしまい
適用できなかったとならないよう
余裕をもって準備をしていく必要があります。
しかし、途中で、
特例の適用を受けた農地を譲渡した場合や、
農業をやめてしまった場合、
3年目ごとに提出する届出書の出し忘れなど、
要件から外れてしまうと、納税猶予が取り消され、
猶予されていた相続税とそれにかかる
利子税を納めらければなりません。
適用後、3年ごとに提出が必要な継続届出書は、
特例を受けたからと言って、
以後自動更新ではありませんので、
忘れないよう注意が必要です。
特例を受けるためには
該当条件に当てはまるかどうか
農業を続けられる覚悟はあるかどうか
十分な検討が必要です。
また、相続税の申告期限までに
遺産分割がされていることも要件にありますので、
手続きが遅れてしまわないよう
事前の相続対策もお忘れなく。
気になる方は、お気軽にお問い合わせください(^^)